モノクロームの夢 ゼルダの伝説 夢をみる島

GB/GBA

ゼルダの伝説 夢をみる島
発売日:1993年6月6日 ハード:GAME BOY

親の方針でゲームを買ってもらえなかった小学生時代。友達の家でプレイして、そのあまりの面白さに親を説得し、GB本体とセットで購入しました。ここから筆者のゲーム人生が始まったと言っても過言ではない作品です。

船が嵐で難破し、たどり着いた南国の小さな島。中央の山頂には巨大な卵が鎮座しています。この不思議で奇妙な世界を、プレイヤー・主人公ともに白紙の状態で探索していくことになります。

まず島で目覚めると剣を探しに浜辺へ向うのですが、ここで流れるBGMがお気に入りです。朝日が靄にかすむ中、見知らぬ世界を垣間見る、といった雰囲気でしょうか。サウンドトラックを発売してください。

この島から脱出するには、山頂の卵の中に眠る「かぜのさかな」を目覚めさせる必要があり、そのために必要な8つの楽器を求め各地に散らばる8つのダンジョンを攻略することになります。

小気味良いアクション、アイテムを手に入れる度に広がる行動範囲。GBとしては書き込まれたグラフィック、良質のBGM。専用グラフィックを含む豊富なイベント。モノクロの小さな液晶画面に驚くほど濃密な世界が詰め込まれています。ゲームの面白さにハードのスペックは関係ないと言える代表的作品です。

また、この島の奇妙な住人も魅力の一つです。8bitゲーム特有の、極限まで削ぎ落とされたテキストが味わい深いセリフとなって現れています。ゲーム中盤頃から解り始める島の秘密も妙に背筋を寒くさせられました。結構ホラーです。

そして、筆者が初めてクリアしたゲームでもあります。それまでは友達の家でインスタントな遊び方しかできなかったので、感慨もひとしおでした。エンディングにはアニメーションが用意され、BGMも最高潮に達し、まるで映画の様に感じました。思わず家族に画面を見せに行ったくらいです。

小学館から発売された、APE編集のガイドブックも良い出来でした。掲載されている数点の風景写真からいろんな想像を巡らせました。

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