スクウェア初のミリオンセラー 魔界塔士Sa・Ga (サ・ガ)
魔界塔士Sa・Ga (サ・ガ)
発売日:1989年12月15日 ハード:GAME BOY
※本文にネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。
最近、ゲームやってません。TVの前に座って、ハードを起動し、権利関係のロゴが流れて、やっとタイトル画面に辿り着く。映像もサウンドもクオリティの高いゲームは、腰を据えてやらないと楽しめない気がして、なかなか気軽にプレイできません。仕事や生活にも追われて、他の趣味もできて、ゲームに割く時間が減っていく。あんたもせいちょうしたもんだって自分に言ってやりたくなります。
それでも久しぶりにゲームをやってみたいなぁと思い、押し入れからGBAと、以前中古屋巡りでゲットした箱・説明書付きのサ・ガ1作目を発掘してきました。ちなみにこのGBA、当時ハードだけ買ってGBA用ソフトは1本も持っていなかったりします。その世代の携帯ゲームに対してすっぽりと未経験の穴があいています。
さて、本作について。巨大な塔の階層毎に様々な世界が広がるという、シュールな世界観を持っています。幾つもの小さなステージで構成される、携帯ゲーム向きのデザインですね。ゲームボーイ初のRPGで、スクウェア初のミリオンセラーでもあります。小学生高学年頃に友達から借りてプレイしたもののクリアしないまま返してしまったゲームです。1つ目の世界から出たかどうかも定かではありません。そんな過去の自分に挑戦します!
GBAの電源を入れ、当時そのままの環境でプレイする為に起動画面で←とBを押してモノクロ表示に設定します。懐かしのテーマ曲。ちなみに、サガ2は中盤までプレイ、サガ3はクリアしたことがあります。パーティー構成は、パッケージのイラストに倣って人間男、エスパー女、モンスター2匹にしました。これが後の苦労を招くことに…。
グラフィックやサウンドのシンプルさは予想していましたが、約20年ぶりにプレイしてみると街やダンジョンの作りまでシンプル。当時恐る恐る探検したダンジョンもあっさりと終わりました。フラグ管理も甘く、キーアイテムが何個も入手できたりします。でもおかげで、イベントが進む度に過去の街を巡ってセリフの変化をチェックをせずにすみます。確かめずにはいられない性質、即ち「サガ」で、DQ7あたりには苦労させられました。
いくつかの世界を冒険して中盤に差し掛かった頃、宝箱からチェーンソーを発見。これがあの、神をも倒す力を秘めた伝説の武器…。8個の共通アイテム欄と、装備含めて人間男の8個、エスパー女の4個の中で所持アイテムをやりくりしていた筆者は、チェーンソーが店でも売られていることを確認して売りさばきます。最終決戦前にI’ll be backするつもりで!
終盤、都市世界に辿り着くと、そこには崩れたビルが建ち並ぶ荒廃した風景が広がります。1マス歩く毎に中ボスである最後の四天王・朱雀とエンカウント。ゲーム開始時から何度もアドバイスをくれたシルクハットの男の言う通りに逃げるしかありません。その朱雀のバリアを打ち砕く装置を作る為に、こともあろうに原発に潜入してプルトニウムを強奪!列車の屋根の上での戦いを制し朱雀から世界を救います。
さらに塔を登って行くと、なんだか壁やらの素材が近代的になってきます。ある世界はシェルターで、餓死した父子4人の遺体を発見。そこでなんと核爆弾を手に入れてしまいました。またある世界では、人名と階数、年月日らしきものが無数に記録された資料を発見します。かつてこの塔を登り楽園を目指した者達のデータが管理されていた…?この辺で、ダークな気分になってきます。
そして辿り着いた最上階にて四天王の親玉・阿修羅を倒すと、落とし穴に落とされて塔の1階まで戻されます。愕然としているのも束の間、そこには今までの冒険で出会った人達が集まっていて再会を果たします。武器や道具屋のラインナップが更新されていて、装備を整え再び最上階を目指します。
ところが!塔の構造が変わっています。シルクハットの男曰く、楽園への真の道なんだとか。このゲームのセーブファイルは1つで、既にッ!セーブは完了しているッ!もうチェーンソーは手に入りません。神とはガチで戦うことになりました。
再び最上階に辿り着くと、シンプルなグラフィックながら楽園のような世界。例えるなら、ムジュラの仮面の月内部の草原のような感じでしょうか。そこにはあのシルクハットの男が。とっくに知っていましたが、奴こそが神だったのです!平和過ぎて退屈した世界に阿修羅を呼び出して荒廃させ、勇者達の命尽きる様を楽しんでいただと!それもとっくに知っていたけど、お前は有名過ぎるから知ってたけど、怒りが沸々と湧いてきた筆者は分身達と共に神に挑みます。しかし、モンスター2匹は火力の面で人間、エスパーに遠く及ばず戦力外。なかなかの苦戦でした。
そして迎えたエンディング。主人公は神が残した新しい世界への扉に背を向け、今まで出会った人達が待つ世界へ戻ります。しかし、あの扉の向こうにはどんな世界が広がっているのか。想像が膨らみます。
本作を音楽で彩ったのはあの植松信夫氏。「涙を拭いて」という曲が同氏のFF3「果てしなき大海原」に似ているなぁと思いました。いずれにせよ名曲です。それにしても、パッケージイラストにラスボス攻略のヒントが描かれているなんて、某ステルスアクションゲームみたいですね。筆者がチェーンソーを所持して再び神に挑むのはしばらく先のことになりそうです。
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