10年早かった シェンムー 一章 横須賀

MD/SS/DC

シェンムー 一章 横須賀
発売日:1999年12月29日 ハード:DreamCast

筆者の人生で一番高価な懸賞の当選品。それはドリームキャスト!普段読まない少年マガジンに偶々応募したのが見事当りました。ちなみに、その応募ハガキには「買えぬなら 当ててみせよう PS2」のmy川柳とPS2のイラストを添えました。それが功を奏したかもしれません。

そんな訳でDCが届き、早速ゲーム屋へ自転車を走らせこの作品を購入。ゲームを開始すると、PS1時代のムービーシーン並みのクオリティでリアルタイムのデモシーンが展開されることに驚きました。操作できるようになると、家中の引き出しや戸棚を開ける事ができたりと、その質・量ともに異常な作り込みにまたも驚かされました。

外に出ると、そこは80年代中盤の横須賀。かつて日本の住宅街がこれほどのCGクオリティで再現されたことがあったでしょうか。住人一人一人個別のキャラクターモデルが用意され、セリフには全て音声がついていることに三たび驚きです。

この作品は「FREE」というジャンルを謳っており、その3D空間内で自由に行動する事ができます。ゲームの中で約束の時間まで時間を潰す必要もあり、ゲームセンターに行ってセガのアーケードゲームで遊んだりもできます。グランドセフトオート3はこの作品の影響を受けているそうで、シェンムーの濃密な町内会的規模の世界を町から街へ、広大なぶん稀薄、そして過激にしたのがGTA3といったところでしょうか。

そんな自由なプレイスタイルで、アパートのインターホンを全室鳴らしてみたり、通行人のストーキングを繰り返すうちに、日本の日常風景をこのクオリティで再現した探偵ゲームをやりたくなってきました。

制作費70億円と宣伝され、その割にボリュームが少なかった事が不評だった今作ですが、続編の特典映像を見るとセガサターンでシェンムー2のラストまで作られていたようで、それが没になりDC版2作の制作費と合計して70億だったようです。そう考えると妥当な金額かもしれません。

ゲームの舞台は11月から始まり雪が降る事もあります。そのせいか、毎年冬になるとシェンムーを思い出してプレイしたくなってきます。

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