トワプリと発売順が逆なら… ゼルダの伝説 風のタクト

N64/GC

ゼルダの伝説 風のタクト
発売日:2002年12月13日 ハード:NINTENDO GAMECUBE

シリーズで初めてトゥーンレンダリングが施されたグラフィック。俗に猫目リンクと呼ばれるキャラクターデザインには賛否が分かれました。個人的には「神トラ」「夢島」時代のパッケージイラストの画風でやって欲しかったです。

今作でトゥーンレンダリングが採用されたのは、映像のリアルさを追い求めるゲーム業界に一石を投じるため。しかし、ファンの多くはN64後継機での初ゼルダということで、リアリスティックな映像を求めていたためギャップが生まれました。

今回の舞台は大陸が存在せず、広大な海に島々が点在する世界。そこで「風のタクト」を振って風を操り、船を任意の方向へ進めるシステムなのですが、これは実質的に前作のオカリナ演奏をタクトに置き換えただけで非常にまどろっこしく、船での海上移動が苦痛になります。「右スティックを倒した方向にダイレクトに風が吹く」といったシステムなら良かったと思います。

もし本作と次作「トワイライトプリンセス」の順番が逆に発売されていたら、Wiiリモコンでの直感的なタクト操作になり、トゥーンレンダリングのグラフィックも一般受けし、「時オカ」からのファンは「トワプリ」のグラフィックに満足できたのではないでしょうか。

ストーリー構成的には、2つ目のステージでいきなり長時間のスニーキングミッションを求められる構成の不味さも感じます。開発期間の関係で没になったダンジョンもあるようで、ボリューム不足感も否めません。一方で、冒険の拠点となるタウラ島は「ムジュラの仮面」のクロックタウンを彷彿とさせ、様々なイベントが用意されていて楽しめました。

オートカメラとフリーカメラ(視点が自動修正されない)を任意に切り替えられる点は他のゲームでも採用して欲しい機能です。フィギュア集めでボスキャラの鳥を撮り(取り)逃したのには泣けました。

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